忍野八海を訪ねて ― 富士山の湧水が生む神秘の泉

2025.09.14
忍野八海の入口に立つ石碑。

9月22日、富士山の伏流水が湧き出す名水の里「忍野八海(おしのはっかい)」を訪れました。山中湖インターを降り案内標識に沿って車を走らせると約15分ほどで到着します。山梨県忍野村に位置するこの地は、国指定天然記念物にも選ばれており、透明度の高い池や清流が点在する風景はまさに水の聖地と呼ぶにふさわしい場所です。

私が忍野八海を最初に訪れたのはかれこれ40年以上前になります。その頃は今ほど土産物屋も多くなくこぢんまりとしていました。今はすっかり観光地化してしまっています。

水車小屋と茅葺き屋根の風景

茅葺き屋根の水車小屋と小川、緑に囲まれた懐かしい日本の原風景。
茅葺き屋根と水車が趣を感じさせる小屋

まず目に飛び込んでくるのは、茅葺き屋根の水車小屋。清らかな水が流れる小川に水車が回り、昔ながらの日本の原風景を感じさせてくれます。観光客の姿もありつつ、どこか懐かしい時代に戻ったような雰囲気でした。この水車小屋は昔からあったと思います。冬の雪景色が何とも言えない牧歌的な雰囲気を演出してくれます。忍野八海のランドマーク的な存在です。

豊かな水辺と観光の賑わい

忍野八海の池のほとりに並ぶお店と観光客の様子。
池のほとりには土産物屋や食事処が立ち並び、観光客で賑わっていた。

池のほとりにはお店や休憩所が並び、地元の名産品を求める人で賑わっていました。水面には木々の緑が映り込み、のんびりとした時間が流れます。清らかな湧水があるからこそ、こうした里山の生活が息づいてきたのだと感じます。

神秘的な泉 ― 湧水の池

石垣と草に囲まれた澄んだ湧水の池。
石垣に囲まれた湧水の池。底まで澄んだ透明度に驚かされる。

忍野八海の魅力は何といっても湧き水の池。石垣に囲まれた泉をのぞき込むと、底まで澄み渡る透明感に驚かされます。静けさの中に漂う神秘的な雰囲気は、まるで別世界の入口のようでした。

流れる清流と遊歩道

忍野八海の清流と木橋を歩く観光客。
小川沿いの遊歩道を散策する人々。清らかな流れと緑の景色が心を癒す。

小川沿いには整備された遊歩道があり、散策する人々の姿も見られます。水辺の緑と流れの音が心地よく、歩いているだけで癒される空間です。橋の上から眺めると、川の透明さと水草の揺らめきがとても印象的でした。

鯉が泳ぐ池

忍野八海の澄んだ泉に泳ぐ鯉。
透明な水の中を悠々と泳ぐ鯉の姿。水の神秘を感じさせる光景。

いくつかの池では、透き通った水の中を鯉が悠々と泳いでいました。水深があるにもかかわらず、魚の姿がはっきり見えるほどの透明度に、自然の力の偉大さを感じます。
忍野八海を歩いていると、大小さまざまな池だけでなく、そこから流れ出す小川の姿にも心を奪われます。
水面に木々の緑が映り込み、静かに流れる川。両岸には草木が生い茂り、都会の喧騒を忘れさせてくれるような落ち着いた風景が広がっています。水面をのぞき込むと、川底まで見えるほど透明で、まさに「生きた清流」と呼ぶにふさわしい景色でした。

小川に寄り添う風景

忍野八海を流れる静かな小川の風景。
木々に囲まれた小川。静かな流れに水面の反射が美しい。
忍野八海を流れる静かな小川の風景。
木々に囲まれた小川。静かな流れに水面の反射が美しい。

さらに歩みを進めると、草に縁取られた小さな流れが続きます。水草がゆらゆらと揺れる様子は、清流の豊かさと力強さを物語っていました。耳を澄ますと、水音がささやくように響き、自然のBGMに包まれるような感覚になります。

おわりに

富士山の伏流水が数十年もの歳月をかけて湧き出す忍野八海。その清らかな水と静かな風景に触れることで、自然の神秘と豊かさを心から感じることができました。これからの季節、紅葉や雪景色とともに訪れてみるのもまた格別だと思います。

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医師・アマチュア写真家

写真とオーディオを趣味としています。風景写真が主体ですが、最近は我が家のペットの写真を多く撮るようになりました。

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