


奈良・吉野山は「一目千本」と称される日本随一の桜の名所です。谷から尾根へと広がる約3万本の桜は、下千本・中千本・上千本・奥千本と段階的に咲き誇り、山全体を桃色に染め上げます。
今回の写真群では、春霞に包まれた幻想的な遠景、斜面を覆う桜と新緑の調和、寺院や町並みを取り囲む花の景観など、吉野山ならではの多層的な桜の美しさを表現しました。光に透ける花びらは儚さを、重なり合う桜の波は壮大さを物語り、まさに「千年の桜」が紡いできた日本の春の原風景といえるでしょう。
吉野の桜景の核心部、上千本・中千本付近を俯瞰した光景。桜に包まれた寺院と町並みが、まるで桃源郷のように浮かび上がっています。
山々を埋め尽くす桜が波のように重なり、枝先から遠景まで花色で染め上げられています。吉野特有の、見渡す限り桜色の山景を感じさせる構図です。
吉野の桜が谷あいから山頂へと広がる景観を切り取った一枚。春霞に包まれ、花々が柔らかい光に溶け込む様子は、まるで夢の中の情景のようです。