


京都・嵯峨野の常寂光院。参道を進むと現れる茅葺き屋根の山門は、青々としたもみじに抱かれるように佇んでいます。苔むした石段や両脇の石灯籠と相まって、山寺特有の静謐で清らかな雰囲気を感じさせます。四季を通じて美しい風景が広がるこの場所も、新緑の季節にはとりわけ爽やかな輝きを見せてくれます。
京都・大原三千院の庭園は、深い緑と苔むす風景で知られています。苔の上にちょこんと立つ地蔵は「わらべ地蔵」と呼ばれ、訪れる人の心を和ませます。夏の光が柔らかく差し込む中、その存在は静かに安らぎを与えてくれます。
三千院の庭園は、自然と人工の調和が見事です。青もみじの葉が光を受けて揺れる下、苔の中から顔を出す石灯籠が穏やかに佇みます。風の音と鳥の声だけが響くその場所には、古都の静けさと夏の涼が共存しています。