


シアトル近郊からもその姿を望むことができるマウント・レーニアは、アメリカ北西部を象徴する霊峰です。雪と氷河に覆われた堂々たる姿は季節や時間によってさまざまな表情を見せ、古くから多くの人々に畏敬の念と感動を与えてきました。
アメリカ・ワシントン州の象徴とも言えるマウント・レーニア(標高4,392m)は、シアトルの南東約80kmにそびえる活火山です。冬の朝、澄み渡る空気の中で雪をまとった山容が現れる光景は、まさに神々しさを感じさせます。山裾に広がる針葉樹林との対比が美しく、自然の雄大さと静寂が同居する瞬間です。
マウント・レーニアには26本もの氷河が存在し、アメリカ本土で最大級の氷雪量を誇ります。季節が進んでも白く残る雪は、この山が“氷河の守護者”と呼ばれる所以です。溶け出す雪解け水は周囲の湖や川を潤し、シアトル一帯の水源にもなっています。
日中の柔らかな光に照らされるマウント・レーニアは、朝や夕暮れとは異なる穏やかさを見せます。山全体を包む青白いトーンが、太平洋岸北西部の澄んだ空気を感じさせ、訪れる人々に静かな感動を与えます。