


立山連峰の一角にそびえる奥大日岳。秋が深まる頃、山肌は赤や黄色の彩りをまとい、険しい岩稜と鮮やかな紅葉との対比が際立ちます。山裾の緑が残る高山植生と、色づいた木々のグラデーションが織りなす景観は、まさに北アルプスの秋を象徴する一瞬です。
立山連峰の奥大日岳を望む眺め。眼下には、硫黄の匂いが漂う地獄谷が広がっています。白く荒涼とした岩肌からは噴気が立ち上り、静かな山並みと対照的な迫力を見せます。地獄谷は立山信仰において「地獄の景」として語り継がれ、訪れる人々に自然の厳しさと畏怖を伝える場所でもあります。奥大日岳の穏やかな紅葉と、下方の荒涼とした谷とが織りなすコントラストは、立山ならではの深い表情を映し出しています。
立山地獄谷(たてやまじごくだに)は、北アルプス立山連峰の一角に位置する火山地帯で、噴気や硫黄の匂いが立ち込める荒々しい地形が広がっています。古くから「地獄」と呼ばれたこの地は、山岳信仰の対象としても知られ、立山信仰における「地獄浄土」を象徴する場所でもあります。写真に写る岩塔は、長年の火山活動によって形成された硫黄を含む岩で、独特の黄色が印象的です。背後にそびえる立山連峰と高い秋空の対比が、自然の厳しさと美しさを際立たせています。澄み渡る空と白い噴気が共存するこの瞬間は、まさに立山の息吹を感じる光景です。