ブラタモリも感動!一度は訪れたい上高地 ― 大正池に映る穂高連峰の絶景と私の撮影記録

10月4日に放送されたNHK「ブラタモリ」では、上高地の成り立ちとその魅力が紹介されました。詳しくは番組をご覧ください。番組の中でタモリさんは「ゴーグルアースでは見たことがあったけれど、実際に訪れるのは初めて」と話されていました。まさに「百聞は一見にしかず」。上高地の魅力は、映像や写真で見るだけでは伝わりきらず、自分の足で歩き、肌で感じてこそ理解できるものだと思います。

私が初めて上高地を訪れたのは30年以上前のことです。当時はまだマイカーでの入山が可能でしたが、その後、自然保護のために交通規制が敷かれ、現在では観光バスやタクシーを利用する以外にアクセスできなくなっています。
30数年前、安房トンネルが開通する前の時代には、富山を午前2時ごろに出発し、夜明け前に安房峠を越えて沢渡駐車場に車を停め、そこからタクシーで上高地へと向かいました(現在は沢渡、平湯各々から早朝よりバスが運行されています。平湯からのバス、沢渡からのバス)。鎌トンネルを抜けて大正池ホテル前で下車すると、まだ薄暗い大正池のほとりで三脚を立て、カメラを構えます。空が白み始めるのを待ちながら、寒さに耐えつつ穂高連峰の稜線が姿を現す瞬間を今か今かと見つめていました。やがて空が明るくなり、刻一刻と変化する光に照らされた山々が浮かび上がると、いよいよ撮影開始です。(大正池から穂高連峰を臨む)
そのわずか30分から1時間の間に、風景は目まぐるしく姿を変えます。フィルムカメラの時代、特に大判カメラや中判カメラは撮れる枚数も限られており、フィルム交換やピント合わせに追われる合間に夢中でシャッターを切りました。今思えば、デジタルカメラのように無限に撮影できる時代ではなかったからこそ、目の前の絶景と真正面から向き合う特別な時間だったのかもしれません。
年齢を重ねた今では、以前のように頻繁に上高地に足を運ぶことは少なくなりました。機材もデジタルに移り変わり、かつて担いでいた重たい大判カメラを持ち歩くことはなくなり三脚の出番も少なくなりました。それでも、当時は夏から秋にかけてほぼ毎週のように通っていた日々を思い出すと、上高地という場所の魅力が尽きることのないものであるかを改めて感じます。
正直、上高地の観光地化が進むことを望む気持ちはありません。しかし、これほどの絶景を前にして、ごく限られた人々だけがその魅力を知っているのはあまりにも惜しいことです。上高地は、日本が誇る自然の宝庫であり、多くの人にその美しさを体験してもらうべき場所だと思います。訪れた人の心に深く刻まれるその光景は、きっと人生の宝物になるはずです。是非一度でもいいのでまだ訪れたことがない方は来て体験してみてください。きっと人生が変わるような経験が出来るはずです。